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 『Life is Beautiful』をのぞきにきてくださってありがとうございます。
 しばらくサイトをあちこちさわる予定なので、お見苦しいところもあるかもしれませんが
 ご理解ください。よろしくお願いします。

 現在お話の更新予定はまだ未定となっております。今しばらくお待ちくださいm(__)m

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2016.12.26 愛すべきサンタ、プレゼントは君で 5
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愛すべきサンタ、プレゼントは君で

あったかい・・・けど、喉がカラカラ。

「ん・・・」

気持ちよくてまどろんでしまうぬくもりがあたしの体をぎゅっと包んでくれる。えっと・・・

「・・・そ、う・・・?」

「よう、起きたか。おはよ、つくし。」

あたしをうしろから包み込むように抱きしめてくれてた総が、あたしの頭のてっぺんにチュッとキスを落としてくれる。

「・・・なんか体が痛くてだるい・・・」

「まあそりゃな。サンタは昨日クリスマスで働きすぎたからな。」

働きすぎたんじゃなくて働かせすぎたの間違いでしょ!なんて、突っ込む元気もない。

「喉乾いたろ?声すっげーかすれてる。水とってくる。」

あたしをぎゅっと抱きしめてからベッドを降りてキッチンに向かった総は上半身裸で下はスウェットパンツ。で、その背中にはいったい誰が?なんて聞くどころか申し訳なくなるくらいたくさん、あたしがひっかいた爪のあとが残っていた。うわーーーいつもよりなんかたくさん・・・

「・・・でも、あたしが悪いんじゃないもん。総が悪いん、だ、よね・・・うん。そう。そうだよ。」

いったい一晩で、いや、昨日の夕方から今日の朝方まで、何回したんだろうか。最初の4・5回くらいまでしか記憶がない。ところどころ意識が飛んでるみたいに記憶がぼんやりしてるけど、まあ、あれこれされちゃってたのはわかる。すごい、今までにないくらいのこの体のきしみ具合がそれを物語ってる。

滋さんのバイトで借りたミニスカサンタの衣装は、きっともう返せないだろうな。っていうかあれを返すのもなんだか申し訳ない気がする、ひどいことになってたし。それに、夜中に総が準備してくれたらしい“パジャマ”。あれは絶対にパジャマなんてものではない。けど目を覚ましたら着せられてて、それがクリスマスだから、なんて一言で喜ばれてしまったらまあいっか、なんて思ってしまったせいで余計にひどい目にあった気がする。

「・・・これ、もう着たくない。っていうか脱ぎたい・・・」

またもそのパジャマと総が呼んでいたスケスケの赤に白のレースのベビードールのみを着せられてるのに気づいて、昨日のことをあれこれ思い出して恥ずかしくなってしまった。あんな・・・あんなにできるものなの?総だけ?あたし、あんなのが毎晩続いたら死んじゃうよ。

「いくら俺でもあれを毎晩はできねーと思うから安心しろ。」

「え?うゎ!き、聞こえてた?」

「聞こえてたもなにもそんだけでかい声でぶつぶつ言ってたら普通聞こえるだろ。ほら、水。起きれるか?」

笑う総の顔に疲れとか微塵もなくて、爽やかで、なんだか体力の違いを見せつけられてしまってる気がする。でも1人じゃ体を起こすのもしんどくて総に支えてもらって起きてようやくお水を飲んで人心地ついた。

「ふぅーーー。なんかお水が体に染み渡る感じ。」

「途中で何度か水分補給させたけどな。足りなかったか、あれだけじゃ。」

「あれ、お水じゃなかったじゃん・・・」

総が飲んでたワインとかシャンパンとか、してる最中に口移しで水分補給だとか言って飲ませてもらったけど。あれはまったく補給になってなかったと思う。酔いが回って、余計、その、おかしくなっちゃっただけで。

「あれ?えっ?」

グラスを持ってた自分の指を見て、今頃、ホントに今頃気づいた。そこにある、見慣れないもの。それも左の薬指にはまってる。

「クリスマスだし、頑張ったサンタにもプレゼントが必要だろ?」

「でもこんな・・・いつの間に・・・」

総があたしをぎゅっと抱きしめてくれる。グラスはそっとサイドテーブルに置いて、指輪のはまったあたしの左指をそっとなでながら。

「お前、今まで何度言っても指輪は嫌だって受け取ってくれなかったしな。今年は渡そうと思ってたのに俺の仕事で会えそうにねーし、お前は別に寂しくもなんともなさそうだし、俺はこれをお前に渡してーし。ま、仕事は裏技つかって強引に終わらせて時間作ったからな。絶対渡したかったんだよ。嫌だとか言うなよ。これでも相当譲歩したんだからな。」

「総・・・」

豪華な馬鹿みたいに高い指輪なんて絶対死んでもほしくない。そう言ってたのを覚えててくれたんだ。だからあたしの指にあるのは、黄色の石と白い石でお花のような形の華奢な指輪。きっと世間的には高いのかもしれないけど、総にとっては譲歩した結果なのかもしれない。

「うれしい・・・ありがとう。」

「ま、そのうちひきつるくらいでかいダイヤの指輪そこにはめる予定だからとりあえず仮予約だ。外すなよ。」

顔を上げて総を見ると、優しい顔であたしを見つめてくれる。もう、そんなに優しくしてあたしを甘やかして、あたし総から離れられないよ。

「あたしもプレゼント・・・あ、うちだ。」

「今夜仕事が終わったらもらいに行く。だから今夜はお前んちで過ごそうぜ。」

彼氏にウインクされてドキドキしちゃうなんて。

「あの、でも・・・」

「ああ、今夜はお手柔らかに、だろ?わかってる。」

ホントだろうか?でもどっちだっていい。あたしは総のぬくもりに包まれた。左指にあるものと一緒に。なんて幸せ。しんどいけど、愛されて、すごく幸せ。

***
いいクリスマスだったでしょうか~?この2人にとっては幸せだったかな❤
甘々ラブラブなクリスマスを書きたくて、イチャコラしつつ甘々させてみました(*´艸`*)
楽しんでいただけたでしょうか?
たぶん、連載がアレなので反動で余計甘いのが書きたいのかとwww

次回の更新はまたもSS投稿~✨
12/28のつくしBDにあわせまして12時に公開です~(≧▽≦)
タイトルは『書き換えられた思い出』です。お楽しみに♪
2016.12.28 書き換えられた思い出 1
書き換えられた思い出
本日はつくしちゃんのお誕生日でございます~゚+o。o。o+゚ハッピーヽ(o’ω’o)ノバースデー゚+o。o。o+゚
ってことでSS投稿φ(・ω・。)かきかき
このお話が今年最後の更新となります。皆様お楽しみください~ニコv(。´ー`。)vニコ

○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○

「いらっしゃいませ、西門様。お待ちしておりました。」

「どうも、学園長。また今年もお世話になります。」

「いえいえこちらこそ。著名な方の講演ですからな、生徒たちも楽しみにしておりますよ。ぜひ毎年来ていただきたいくらいです。」

「私のような若輩者よりももっとふさわしい方がたくさんいると思うので恐縮ですよ。な、つくし。」

「・・・はい。そうですね。」

また、きてしまった。昨年も講演に来た英徳学園に、あたしと総はまたも講演に呼ばれて終業式前の英徳学園にいる。憂鬱だなぁ・・・だって去年はほら・・・詳しいことは「懐かしのこの場所で」ってお話を読んでみて。

あの後総にホテルに連れ込まれて大変な目にあって、なんて、そんなことを思い出して憂鬱になってるんじゃない。今年はお断りしようって総も言ってたのに、西門の後援会の方のご尽力もあって、実は秋に英徳学園のお茶室を建て直したのだ。それが元でまた講演の依頼がきてしまい、断ることはできず・・・あの時の自分の失態を思うと、大人げなかったなあと今でも反省しちゃうのだ。

「それにしても、西門様のセンスは素晴らしいですな。以前のお茶室も趣があって見事でしたが、今回のお茶室は来られる方がどなたもため息をつくような素晴らしい出来でして・・・」

「ええ。そのおかげで西門に興味をお持ちいただいた方もいたようで、私どもとしては本当にうれしい限りですよ。」

そう。新しく作り直したお茶室も、総が遊び心を入れて趣味を詰め込んだお茶室にしたらしいんだけど、それが評判がよくて、英徳に来た来賓の方とか海外からのお客様とかが西門に興味を持ってくださって・・・まだできてから一度も見にこれてなかったのもあって、講演を引き受けるついでにお茶室を見に来たのだ。だったら1人できたらいいのに、総ったら・・・

『俺が1人で行って何が楽しいんだよ。お前が一緒だから楽しいんだろ。あの頃お前とこうなってたら、俺ら絶対あちこちでヤってたぜ。惜しいことしたよな、ホント。いい思い出ができただろうによ。』

なんだか変にご機嫌な総に婚約者のあたしのスケジュールまであけられて、同行させられてしまった。今日は朝から若宗匠の機嫌が気味が悪いくらいによくて、逆に怖いなんて言ったら総に朝からディープなキスをされちゃって腰が抜けそうだった。ひどいよね、ホント。

「講演が終わった後に、ぜひお茶室をゆっくり見るお時間をいただきたいのですがよろしいでしょうか?私の希望通りでないところがあればせっかくなので手直しさせていただきたいですし。」

「ええええ、もちろんですとも。どうぞお好きになさってください。西門様には本当に感謝しているんですよ。西門流の生徒さんも多いですからね、ぜひぜひ今後ともお力添えをいただけたらありがたい限りです。」

あたしの方をこっそり見た総は、ホント誰が見てもバレないくらいに口の端をちょっとだけあげて笑った。なんだかその笑顔がフェロモンが駄々漏れで怖いと思ったあたしは、今日はなんだかおかしいのかな。

去年来た時には熱烈なファンと思われる女生徒たちに囲まれてうんざりだった総だけど、今年は生徒会長を男子生徒がしているからかそんなこともなく、今年の英徳の生徒さんはおとなしい方が多くて~なんて学園長先生が言ってた通りに、大した混乱もなく公演は無事終了した。まあ、講演終了後に瞳をキラキラ輝かせた女生徒に総が囲まれてたのはご愛敬だろう。いつものことだもんね、どこに行っても。

「あ~~~つっかれた~!」

どさっと学園長室のソファに倒れこんだ総は、それでも着物の裾を崩さないんだからすごいよね~なんて全然関係ないことを思ってしまう。

「お疲れ様。相変わらずどこに行っても人気だね、若宗匠は。総、コーヒーでも飲む?頼もうか?」

「いや、いい。あとで茶室見に行った時に茶点てるつもりだし、お前のバッグに水入ってただろ?それくれ。」

いつもあたしが持ち歩いてるものまで把握してるなんてすごいなあと思いつつ、総に水のボトルを渡す。なんだか今日はホントに疲れてるみたいだ。

「大丈夫?最近忙しかったし、疲れがたまってるんだよ。お茶室はまた今度にして今日はもう帰ろうよ。」

総のサラサラの髪をなでながらそう言うと、目を閉じた総がふっと笑った。

「・・・お前がこんなことしてくれんの、久しぶりだな。」

「え?」

「最近忙しくてお前とゆっくり一緒にいる暇もなかったし、この後も年明けまでずっとスケジュールびっしりで2人で過ごす暇もねーし。悪いな、つくし。」

「何、どうしたの総。そんなの気にしてないよ、総が一番大変なんだもん。」

「お前のそういうやさしさに甘えて、俺も最近ちょっとさぼりすぎてたなと思ってな。」

さぼる?何を?

「だからってわけじゃねーけど、デートしようぜつくし。ここにいるあいだは“仕事”だしな、帰りが遅くなっても西門の爺どもにうるさく言われねーだろ?」

いたずらっ子のような顔をした総はあたしの手を握ってあたしを見つめて微笑んでくれる。そんなことされたらドキドキしちゃうよ。

「懐かしのこの場所でプチデートしようぜ、牧野。」

○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○
ぐふwぐふふ~実は、いつかは書いてみたいと思っていたのです。
『総二郎とつくしが英徳学園でデート編』❤
前も「懐かしのこの場所で」でちょっと書いたんですけどね、物足りなくて(●´ω`●)ゞエヘヘ

さてどんなデートになるんでしょうかね、お楽しみに~次回は本日18時ですw
あ、今回このお話を書くにあたり「懐かしのこの場所で」のお話も当ブログに移行させております。
よかったらそちらもお楽しみくださいね~(★^ω^)ニッコリ★
2016.12.28 書き換えられた思い出 2
書き換えられた思い出

なんでそんなに赤くなってんだ、つくし。そうは思うが照れた顔がかわいくてこんなところで見つめあってた。ドアをノックする音がしてつくしが飛ぶように俺から離れる。もう世間には婚約者だって公表してるんだから別にいいと思うんだが、つくしはもともと人前で俺といちゃつくなんてことしない女だから仕方ねーか。赤くなった頬を隠すようにそっぽ向いて照れ隠ししてるとこがまたかわいーんだけどよ。

「ご、ご苦労様でした、西門様!コっコーヒーですがど、どうぞぉ!!」

「・・・ああ、どうも。」

こいつは確か・・・ああ、副会長だとかいう男子生徒だ。いったいなにをそんなに緊張してんのか知んねーがかちんこちんになって声も裏返ってる。こんなガキ見るのもなんか久しぶりだなと思い、つくしと並んでソファに座った。

が。

―――ガシャッ!

「あっ!あっ、もっ申し訳あり、あっどうしよ、お、俺・・・すっすみませんっ!!」

緊張しすぎて固まりすぎたせいか、コーヒーをテーブルに置くだけのことにミスって、こともあろうに俺らの着物にコーヒーをかけてくれやがった。おいおい。

「あの、大丈夫ですから落ち着いて。ね?」

「い、いやそのおっオレ!き、着物にコーヒーのシミなんて!それにこんな淡い色の着物に・・・ど、どうしよ・・・」

見るからに真っ青になっておろおろしてるガキに、どうすんだお前なんていうほど俺もガキじゃない。

「落ち着け、大丈夫だ。仕方ねーな。つくし、急いで帰るか。帰ってすぐ染み抜きすりゃなんとかなるだろ。」

お袋がお下がりだとか言ってつくしにくれた着物だ、年代物だが何とかなるだろう。つくしもちょっと残念そうな顔をしてるが仕方ない。だが立ち上がった俺たちの前に、男子学生は青ざめた顔で立ちはだかった。

「お、俺がやります!」

「は?」

「お、俺、呉服屋の息子です!こんな年代物の、淡い染めの着物の染みはすぐに落とさないと!お、俺にやらせてください!」

「いや、いくらなんでも、」

「いえ!責任をもって、うちの家に恥じない仕事をします!脱いでくださいお二人とも!俺、今すぐ着替え持ってきますから!今すぐです、ホントすぐですから!」

まくし立てるだけまくし立てて、男子学生はすごい勢いで学園長室を飛び出ていった。つくしと顔を見合わせる。

「どうする、つくし。」

「どうするって・・・あの子にできるのかな?確かにこの色の着物にコーヒーの染みは・・・」

「あいつ呉服屋の息子だって言ってたよな?だが職人ってわけでもねーだろ?そんなやつにできるかなんてわかんねーしな。」

どうするか、そう考えてる間にドアの向こうからすごい音が近づいてくる。バンっとドアが開いて、息を切らして真っ赤な顔した男子学生が手に持ってたものを押し付けてくる。

「こっこれに!今すぐ着替えてっきっ着物を俺に!はっ早く!俺に任せてください!」

「は、はいっ!」

その勢いに負けて返事をしたのはつくしだった・・・





「おい、嘘だろ・・・俺にこれを着ろってのかよ、あいつ。」

「総・・・これはちょっとさすがに・・・」

着物を脱いで、ドアの外で待ってたやつに渡すと「2時間ください!」と言ってどこかに走っていった。そして手渡された服を着ようと・・・最初で見とけばよかったんだろうが、そんなのあとの祭りだ。俺らの手元にあるのは、英徳の制服だった。

「あいつ、俺らの年わかってんのかよ・・・この年でこれ着ろとか、何のコスプレだこれは。」

「総・・・あたしもさすがにこの年で制ふっクシュン!」

つくしは襦袢も脱いだ状態で、当然寒いはずだ。俺も着物を脱いで襦袢一枚。さすがに寒い。

「・・・仕方ねー。着替えるぞ、つくし。このままじゃあいつが戻ってくるまでに風邪ひいちまう。」

「ほ、本気?」

「ま、どうせ生徒たちはもう帰ってる時間だ。誰にも会わねーだろうし・・・それに。」

「それに?」

「校内デートすんなら、これで目立たなくていいんじゃね?」

死んでもあきらたちに見られたくねー姿だが、ま、どうせ人に会うことはねーし楽しんでもいいんじゃねーかと思うあたり俺もまだまだガキなんだろうな。

「え~?これ着て総と校内うろうろなんて・・・」

「いいから早く着ろ、つくし。寒いだろ?この時期に風邪とか話になんねーぞ、明日からも仕事びっしりなんだからな。」

「えー・・・」

すっげー不満げなつくしは文句言いながらも制服に着替えて、ちょっと恥ずかしそうに俺に微笑んでくれた。

「ど、どう?変じゃない?」

「全然。まだまだイケてるぞ、つくし。お前もともと童顔だしな、違和感ねーよ。問題は俺だ。ったく、こんな標準制服持ってきやがって。」

「ふふふっ。なんかまじめな生徒に見えるよ?昔の総が制服着てるのなんて見たことないから変な感じ。」

当たり前だ、制服なんて持ってたかどうか記憶も怪しいくらいだ。持ってきてくれた制服は俺らがいたときとたぶん変わってねーんだろうけど、大体既製品じゃ体に合わない俺には足も腕も裾が若干短い。はっきり言ってダサいの一言だ。

「ま、つくしとのデートのためだ、仕方ねーな。」

バランス考えて裾を折って何とか見れるようになったはずだ。さ、行くか。

○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○+●+○
プチデートする予定だったんですが・・・アンラッキーなのか学生グッジョブ!なのかw
2人とも英徳の制服を着るハメになってしまいましたwww
んじゃま、せっかくなんだし楽しんでいってらっしゃ~い♪゚゚♪゚((●>∀・)ノわ~ぃ!
2016.12.29 書き換えられた思い出 3
書き換えられた思い出

「ねえ、総。やっぱり戻ろうよ。こんなカッコでうろうろしてるの誰かに見られたら・・・」

「そんなきょろきょろ挙動不審にしてっからバレんだよ。ふつーにしてろふつーに。大体さっきから誰にも会ってねーだろ。どっからも誰の声も聞こえねーし気配もしねーし、誰もいねーよ大丈夫だ。」

あたしの手を握って、どんどん進んでいく総はなんだか楽しそうで。でもあたしは変に緊張しちゃってそれどころじゃない。大体こんなカッコ恥ずかしすぎるよ、いい歳なんだし。

「あ、あの、ところでどこに向かってるの?お茶室こっちじゃないよね?」

「ん?ああ、ちょっとな。思い出したことがあって行ってみたいとこがあんだよ。」

総は制服っていってもかなり着崩してるしネクタイだってしてないし、ジャケットに英徳のマークが入ってなければまったく違和感がないからいいけど。あたしはこんな姿恥ずかしいのにそんなのまったく気にしてない総はずんずん進んでいく。いったいどこに行ってるんだろう。

「総、ホントにどこに向かってるの?」

「秘密だ。ま、まだあるかわかんねーけどな。」

なんなんだろう一体。そう思ってるうちに進んでいってたどり着いたのは音楽室だった。

「総?なんで音楽室なの?」

「ああ、用があんのはこっち。」

大きなピアノがあってもまだまだ広くて余裕のある部屋を横切って向かったのは隣の準備室だった。そこだって楽器がたくさん置いてあって特に何か変わったものもない。

「総、何か楽器でも弾くの?」

「んなことするかよ。あ、こっちだ。お、まだあんじゃねーか。」

なんだろう?そう思って総の後ろからのぞき込むと壁に掛けられた時計を総が外してる。そこにはなんだか電卓のような・・・

「俺とあきらのロッカーだ。っつても学園にも内緒で作らせた、俺とあきらしか知らない秘密のロッカーだけどな。」

「え?学校に勝手にロッカーとか何考えてんのよ!」

「いや、ま、いろいろこっそり隠すのにちょうどよくてな。あきらは隠すもんねーとかって使ったことなかったけど俺はけっこう使ってたんだよな。」

高校生の時の西門総二郎!いったい何を考えてたんだ!と怒ってやりたい。学校に勝手に内緒でロッカー作るとか、しかも暗証番付きのすごい立派なやつだし、どうせろくでもないもの隠してたに違いない。

「まさか当時の彼女たちの写真が大量に出てくるとかじゃないよね?」

「お前俺をどんな男だと思ってんだよ。大体あの頃の俺に彼女なんてもんが存在したか?」

「それって誰が聞いても余計サイテーだと思うけど。」

すごく長い暗証番号を押して、カチッと音がして開いたドアはホントに一目見ただけじゃわからないくらいにうまく作ってあって開いたドアの中にはなんだかいろんなものが入ってたけど・・・あたしは見たいような見たくないような複雑な心境だった。

「お、さすがいい金庫使っただけあったな。中身全然劣化してねーし。」

あの頃を思い出して総は楽しそうだけど、あたしは・・・

「ほら。お前に。」

「え?」

ぽんっと手渡されたのは分厚いノート。ううん、アルバム?

「なんなのこれ。」

「何って写真に決まってんだろ。」

「誰の?どの人の?」

「誰のって・・・違う女の写真なんかとっとくわけねーし、それをお前にやってどうすんだよ。見てみろよ。」

恐る恐るページを開けてみたら・・・そこにいたのはあたしだった。高校1年の時のあたし。2年のあたし。楽しそうに笑ってる写真ばかり。

「え?どうして?」

「・・・あの頃のお前、あんま笑ってなかっただろ?ま、俺が言うのもなんだけど、笑ってりゃそこそこかわいいのになってこっそり写真撮らせたことがあってよ。お前と司が付き合いだす前な。ま、あとから司に渡せばよかったんだろうが・・・なんか出しにくくてよ。で、気が付けば写真はたまっていくし、かといって捨てるのもあれだし、お前がここで笑ってるのなんてレアだろうからいつか渡してやろうかと思ってたんだ。ま、今日まで忘れてたんだけどよ。」

「な、なんで・・・」

「いや、特に深い意味はなかったと思うぜ。ただ珍しい生き物だったから?わかんねーけど。まあ、お前はあの頃から俺の中で特別だったんだろ、いろんな意味で。っと、あったあった。これ取りにきたんだよ、まだあったな。」

その奥から出してきたのはシャツにパンツ。

「え?それって・・・英徳の制服?なんで?」

「なんかあった時のための非常用ってとこ。あの頃けんかっ早くてやばいこともしてたからな。俺もガキだったし。やっとこの短いの脱げるわ~」

あたしなんか気にしないで、さっさと着替えだす総。でも、あたしはあたしの手元にある写真になんだか胸がいっぱいだった。

「あの時の総、あたしのことなんて女だなんて見てなかったでしょ?」

「女だっただろ?珍しくて会ったことのない部類の。で、触れられないくらいキラキラしてたじゃねーか、お前。」

そんな風に思ってただなんて。

「知らなかった・・・」

「んなだせーこと言えるかよ。百戦錬磨の俺が。」

苦笑いする総の姿に、なんだか意味もなく涙があふれた。

「つくし!なんで泣くんだよ!」

「総!」

あたしはそのまま総に突進した。

***
深い意味はなかったけど捨てられなかったつくしの、英徳での笑顔の写真。
ダサいの脱いで着替えたかっただけ、といいつつ総ちゃんそれを思い出して渡したかったのかも?
感極まったつくし、総二郎に突進~!ここ密室ですけどいいんですかねwww

次回は本日18時~まだ、Rにはならないですが微微微Rwww
2016.12.29 書き換えられた思い出 4
書き換えられた思い出

「総っ!」

「っ!」

いきなり泣き出したつくしは俺に突進してきて、まだ着替えの最中だった俺は受け止めきれずバランスを崩した。思いっきり打ち付けた背中と尻がいてーけど、それどころじゃねーつくしが先だ。

「おい、つくし?どうしたんだよ。」

「っく、総、総、そうぅっ!っく、な、なんかもっ、ううーーーっっ!」

俺の首にがっちり掴まって、グスグス言って俺の首をぎゅうぎゅう絞めてくる。おい、俺なんからやかしたか?そんな要素なんかあったかよ。

「あっあたしなんかもう、うっうれしくって、よくわかんないけどっ!なんかなんかね、ううーーーっ!」

「・・・あーーーまあわかったようなわかんねーような。とりあえず落ち着け。泣くなよ。ビビっただろ。」

頭をなでて抱きしめてやる。写真に、なんかうれしくなったとかそんなとこか?わかんねーけどなんか感極まって、って感じなんだろう。

「お前に泣かれると俺弱いって知ってんだろ。泣くなよ、つくし。なんだよ写真くらいなんでもねーだろ。」

「だっだって!」

がばっと顔を上げたつくしの目はもうウルウルでぐしゃぐしゃだが、俺をまっすぐに見つめてくる。

「あたし、英徳での写真なんて1枚も持ってないもん!友達もいなかったし、写真撮ってくれる人も一緒に写ってくれる人も誰もいなくてっ!だから高校の時の写真持ってなくって、そ、それにっ!わ、笑った記憶なんてなかったからなんかなんかっ!」

「わかったわかった落ち着け。悪かったな。もっと早く渡しときゃよかったな。」

興奮気味のつくしの涙をぬぐってやるけどボロボロと涙は流れてきて、ホント参る。まあ悲しくて泣いてるわけじゃねーんだろうけど、なんか俺が泣かしてるみてーじゃねーか。

「総が、あの時のあたしを好きじゃなかったのなんて知ってる。でも大事に思っててくれたんだって知ってうれしいの。なんか、なんかうれしくてっ・・・」

「好きだったぜ。特別だったぞ、あの頃から俺にとってお前は。女なのに手を出したくねー、ずっと一緒にいてー。どんな立場でもいいからって思えた、はじめての女だった。」

「そ、う・・・」

こういうの、言いたくねーんだけどな。

「別に類でも司でもあきらでも、俺はよかったんだあの時。あいつらと引っ付きゃ少なくともダチの女だ、そばにいるだろ。からかって、顔真っ赤にして反論してくるお前が、かわいくてもっといじめてやりたくなってたな。ま、度は違っても司とレベルは一緒だったってこった俺も。」

つくしの涙が止まって、俺をじっと見つめる。だから、そんなまっすぐに俺を見る女はお前だけなんだよ、今も昔も。

「ま、いつお前を好きになったかなんて忘れたけど、大事なのは昔から変わんねーよ。だから、こんな写真でお前がそんな喜んでくれるんなら俺はうれっ、つっ!」

つくしが、俺に唇を重ねる。俺の唇に吸い付いて、俺の口内に舌を差し込んてくる。すっげー力でぎゅっと抱きついて、思いの強さを伝えようとするかのように。めずらしすぎるその行動に、変に慌てて心拍数が上がって。頭にかっと血が上ったみたいになってつくしをぎゅっと抱きしめて、俺の思いの強さの分だけキスで応えた。

「っん、ちゅんっ、ぁ・・・っ」

こんな埃っぽいとこに座り込んで、俺は服も脱ぎ掛けで、つくしは顔はぐちゃぐちゃで、借り物の制服で何してんだって思う気持ちなんてどこにもなかった。こいつが、つくしが、いつも俺からの行動を受けるだけのつくしが、自分から俺を強く求めてくれたことがただ単にうれしくて。幸せで。場所なんかどうでもいい。

「っはぁっ、つくしっ、んっ」

「んっ、そっん、んっ、すっき・・・っと、してっんっ」

好き。もっとして。そう言いながら俺をぎゅうぎゅうと抱きしめてくるなんて。つくしが。いつまでたっても恥ずかしがるこいつが。俺の理性を吹っ飛ばしてくれるにはそんな些細な言葉でも十分だった。

つくしの舌を吸い上げて、俺の舌で絡めて溶け合うぐらいに激しいキスをおくる。つくし、俺だってお前を愛してる。誰にも負けないくらい。いや、誰にも負けねーよ。そんな気持ちが何も言わなくても届きゃいい、そう思いながら。

「ん、ふっん、はぅっ、ん、っ」

つくしの体の力が抜けて俺に体を預けてくれる。制服のブレザーのボタンを外し、胸元のリボンを引きちぎる勢いで外してシャツのボタンを俺らしくない慌てた手つきで外す。早く、早くつくしに触れたい。俺の愛するこいつに。

「っあ、んっ」

シャツの中に滑り込んだ俺の手が冷たかったんだろう、つくしがキスをしながら悲鳴のような声を上げ体を震わせる。その声さえたまんねー。

「っ、つくし、わりっ、我慢できねっ、ん」

「んっ、総っ、あっ、んふっ」

ブラをたくし上げてつくしの胸に触れる。俺と付き合うようになってから胸が大きくなって、なんか恥ずかしいといつも言ってるこの胸。俺は逆にうれしくてしょうがなくて、いっつも触っていてーくらいで。

「あっ、んんっ、ゃ、ン、声でちゃ、っんっ」

キスをしながらつくしも感じてくれて、声を抑えきれてない。それがまたたまんねーんだよ。俺は脱いたジャケットの上につくしを押し倒した。

***
あの頃だって、お前は大事だったよ。そんな総二郎の言葉にめずらしくつくしが!
がっつり2人してスイッチ入っちゃって・・・え~~~次回はええそうですね、Rだねwww
年末です、昼間でもいいよね(●´ω`●)ゞエヘヘ
年末の大掃除の手をちょっと休めてお楽しみくださいませませ( *¯ ³¯*)♡ㄘゅ
2016.12.30 書き換えられた思い出 5
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2016.12.30 書き換えられた思い出 6
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2016.12.31 書き換えられた思い出 7【Fin】
書き換えられた思い出

「これはこれですっごく恥ずかしいんだけど・・・」

「仕方ねーだろ、これが一番目立たねーし。恥ずかしいんだったら目つぶってろ。」

「総が目立たないはずがじゃない・・・」

結局解決方法として俺らが選択したのは『つくしが具合が悪くなったので』ってことでお姫様抱っこ。俺が着てたジャケットでつくしをくるんで、とりあえずつくしの皺だらけのシャツと若干ひどいことになってるスカートは隠せた。俺はとりあえずシャツの裾だしときゃ何とかごまかせる。だがこれはこれで恥ずかしいらしく、つくしは俺の腕の中で赤くなって視線をさまよわせてる。

「さっきから誰も会わねーし、そんな気にすんなって。」

「そうだけど、こういうの慣れないし・・・重くないの?大丈夫?」

まあ、こういうの恥ずかしがる女だし仕方ねーか。重いわけがない。お前の重さなんていつだって俺は抱えられるぞ。

「あっ!に、西門様!」

「・・・あいつがいたな、忘れてた。」

そうだった。あいつに着物の染み抜き頼んでたんだっけ。そんなことを今更思い出す。つくしはやつの声を聞いて赤くなってる顔を俺の胸にうずめるようにして隠した。ま、それが正解だな。まだとろんとしたお前のそんな顔、俺は誰にも見せたくねーし。俺らの姿を見て走ってきた男子学生は、俺に抱かれたつくしの姿を見るなり心配そうにじっと見つめる。

「西門様、どうかされたんですか?牧野様・・・」

「・・・いや、ちょっと気分が悪いらしくてな。ってか、お前つくしを知ってるのか?」

「あ、え、いえあの!い、以前西門のお茶会に参加させていただいた時に親切にしていただいたことがあって・・・あ、も、もちろん牧野様は俺のことなんて覚えてないと思うんですけど!どなたにでも親切な方ですし!」

何が悲しくてこんなガキが顔を赤くして弁明するような話を聞かねーといけねーんだ。まったく。だからか。

「・・・で?着物はどうなった?」

「はっはい!すぐに処置したので大丈夫でした!俺のせいでご迷惑をおかけしたので、うちの職人にきちんと手入れさせた後西門会館にお届けします!あ、そっそれであの、代わりの着物をご用意しましたのでよかったらそちらを・・・お、俺のせいですからその着物は差し上げますので是非!」

大方西門の茶会で会ったつくしに親切にされて惚れたんだろう、こいつ。だから今回つくしが英徳に来て、緊張してコーヒーこぼしたとかそんなとこか。別にガキ相手に嫉妬とかしねーけど、ま、おもしろくないよな。こんないかにもみたいな顔して俺の女を見られるのは。肝心のつくしは俺の胸に顔をうずめてるから話は聞いてるだろうが、実際のところはわかってねーだろうし。

「いや、こいつも具合悪いし、悪いけどこのまま帰るから着物はいい。こっちこそわりーけど、このまま帰るから制服借りてってもいいか?あとで新しいの贈らせてもらう。」

「いっいえそんな!いいんです全然そんな制服なんて!そ、それより牧野様は大丈夫なんですか?若宗匠が抱き上げて歩かれるくらいですから相当お悪いんじゃ・・・あ、あのしんどいようでしたらおっ俺が代わりにそのっ!」

「ああ、つくしなら大丈夫だ。ちょっと疲れが出ただけみてーだし。それに、こいつ重くねーし、俺も嫁を他の男に預ける気はねーからいいよ。」

大人げねーな俺、って思いながら男子学生の横をすり抜けて歩き出す。男子学生は俺の後をついてきながら、顔色を変えていた。

「えっ!?よっ嫁、ですか?ま、牧野様が?あ、あのそれって!」

「ああ、知らなかったか?つくしは俺の婚約者だ。年明けには結婚予定。」

「・・・じゃあうちで作らせていただいてる白無垢は・・・」

かわいそうなくらい青ざめたガキ相手に、俺は遠慮なく言い放った。

「そ、こいつのだ。晴れの日の着物だ、いいの作ってやってくれよな。」

つくしが着る白無垢を作ってるって聞いて、どこの息子かわかった。確かにつくしと知り合う機会があっただろうが、着物の採寸なんかに来たことはなかっただろうからつくしが西門でどういう存在なのかまでは知らなかったんだろう。気の毒にと思う反面、こんなガキにまで惚れられるつくしにはお仕置きが必要だな、なんて思う。

「そーゆうことなんで、じゃ。」

ボー然として立ち止まった学生を振り返りもせず、俺は停めてあった車へと向かった。車の中に乗り込んだところでつくしがようやく顔を上げた。

「総、あの・・・」

「いくらお前が鈍感でも、あの会話聞きゃさすがに気付いただろ?」

「う、うん・・・」

「どうにかしてやれるもんでもねーし、ほっとくしかねーよ。ま、あいつがボー然としてたおかげでいろいろ細かいこと突っ込まれなくてすんだしな、ラッキーだったと思おうぜ。」

なんとなく申し訳なさそうなつくしに、ちょっと腹が立つ。

「それより。お前は帰ったらお仕置きだ。」

「え?何それ!」

「あんなガキにまで惚れられやがって。せっかく本物の制服が手に入ったんだし当分これ着てちょっと楽しませてもらうぞ。」

俺の言ってる意味がわかったんだろう、つくしは顔を真っ赤にしてる。

「やだー!総の馬鹿!エロ門!」

さ、今夜はまずどうするかな。

***
予定より長くなってしまい、長々とお付き合いいただきましてありがとうございました(♡´ω` )ノ"

ホントは、予定では英徳のお茶室でイチャコラさせてみようと思ってたんですが
茶室でイチャコラは西門でもできるし、英徳でしかできないこと~~~と考えてたら
なんだかコスプレに走ってしまった向日葵でした(^▽^;)

普段ならあり得ないところで暴走しちゃうラブラブカップルを書きたかったのデス❤
なんかね~最近書くSSのイチャコラ糖度が増してる気がしてなんか怖いくらいの私ですが
皆さんは楽しんでもらえてるのかな?っと勝手に想像中です(●´ω`●)ゞエヘヘ


これで2016年の更新は終了になります。ありがとうございました。
年越えたら新年のご挨拶をアップしますので、そこで2016年の振り返りなんかもする予定です。
皆様どうぞ楽しい新年をお迎えくださいませ( *¯ ³¯*)♡ㄘゅ

これがアップされる頃、まだ仕事中の向日葵より愛を込めて(★^ω^)ニッコリ★
2017.01.05 とんだ初夢四段重ね 1
とんだ初夢四段重ね
明けましておめでとうございます、皆様❤
£(。・ё・)ノ[酉]ヽ(・ё・。)β(*≧∇≦)ノ<A Happy New Year♪今年もよろしくお願いします♪

新年早々なのでニューイヤーSSをお届け( ・´ω・)畄
ふざけたタイトルで、もうお正月気分も何も仕事はじまってるけどさw楽しんでくださいませ(。・ω・。)ノ♡

***

「つ、疲れた・・・」

車の後部座席で、お行儀が悪いと思いつつもぐったりと寝そべってしまった。年末を道明寺邸で過ごそう。それはいつものことだから別に全然かまわない。ただ今年は違うことが1つあって・・・忙しい大晦日に西門邸にお呼ばれしたのだ。しかも総とは別行動でお義母様に。

『つくしさんも来年からは我が家の一員ですからね。少しでも早くなじんでいただいた方がいいかと思いまして。』

そういう心遣いをしてくださったお義母様にはホントに感謝なんだけど。忙しすぎて死にそうだった!年明けからの初釜の準備、おせちの準備、お花にお酒にお料理に、掃除に来賓の確認に・・・目が回りそうなくらいの忙しさなのに、涼しい顔して笑顔でそれらすべてを仕切っていらっしゃった家元夫人。ある意味鉄仮面だ。ああ、そう。笑顔の仮面をかぶったロボットみたいな・・・

「あれをあたし、来年からできるのかな・・・不安だ。」

年が明けて春には総との結婚が決まってる身としては、なじむよりも不安の方が大きくなってしまった1日だった。まあでもやるしかないんだろうけど。

「それにしても疲れた・・・おいしそうなおせち、つまみ食いもできなかった・・・」

まあ、あの戦場のような調理場でそんなことしたら鬼気迫ってた感のある料理長さんに怒鳴られただろうけど。疲れたな~お腹すいたな~。そんなことを考えてたらあっという間に道明寺邸についてしまった。

「いらっしゃいませ、牧野様。」

メイドさんたち勢ぞろいのお出迎えにはいつも腰が引ける。ううっと思ってたら、総が迎えに出てきてくれた。総もさっきまでは会館の方で仕事してたはずだ。なのに全然疲れた顔してない。

「大丈夫かよ、顔色悪いぞつくし。」

「・・・疲れた。すごいね、なんか。」

「家元夫人について回ってたんだろ?あれ、あの人が嫁に来てからウン十年でようやく全部仕切れるようになったことだ、今すぐお前にやれなんて誰も言わねーから安心しろ。」

「やれなんて言われてもできないよ。まあ・・・徐々に頑張る。」

「お前のそのへこたれねーとこが俺は好きなんだ。ま、徐々にでいいさ。お疲れ。」

頭をなでてくれてやさしい微笑みをくれる。総のそんな甘い顔を見るだけでなんかほっとして疲れが癒される気がするんだからあたしも現金だ。

「つくし~~~!待ってたよ~!ほらほらこっち!滋ちゃんの横~~~!」

「滋さぁん、先輩は西門さんの横に決まってますわぁ。ほらぁ飲みすぎですわぁ!せんぱぁい!いらっしゃいませぇ!」

「お~牧野ぉ、お疲れ。西門でさっそくしごかれてたんだって?嫁は大変だなぁ、お疲れさ~ん。」

「美作さん、みんな・・・何この酔っぱらいたち・・・」

まだ乾杯もしてないのに、すでに滋さんはできあがってて。類は相変わらず寝てるけど、桜子も目がとろんとしてる。まあ、滋さんの面倒見てくれてるけど。美作さんも珍しく顔が赤い。道明寺に至ってはすでに目が座ってる。怖い。

「つくし、あんま近寄るなよ。こいつら、あれ空けたらしいからな。」

「あれ?」

総が指さす方には空のボトルが2本。なんだろう?

「ウォッカだ。類の特注品の土産らしい。いくらなんでも度数75度のウォッカ2本もあけりゃ、こいつらだっておかしくなる。」

「牧野ぉ!なにやってんだぁ、お前はこっちだろぉ!」

「ど、道明寺!ちょっ痛い!」

「司!ったく酔いすぎだお前!」

酔っぱらった道明寺に加減なしに腕を引っ張られたけど、総が何とか助けてくれて。なんかすごいことになってるけど・・・

「これ、今日パーティできるの?」

「さあな。ま、勝手にこいつら始めてたんだし、俺らも勝手に始めとこうぜ。ほら、こっち。」

酔っぱらったみんなを避けるように、端っこのソファに総と座った。テーブルにはお正月気分を出してか、4つのお重が並べられてて見たこともない料理がたくさん詰まってる。

「うわぁ、おいしそう!あたしすっごくお腹すいてるんだけど、もう食べていいかな。」

「来て早々腹減ったとかつくしだなやっぱ。いいんじゃね、あいつらも好き勝手食って飲んでるし。」

「わーい、やったね!いっただきま~す!」

総はあたしの隣でグラスを片手に酔っぱらって総に絡んでこようとする道明寺や滋さんをあしらってる。あたしはお腹がすきすぎて、とりあえずこの空腹を満たさないと彼らの相手もできそうになくて。おいしそうな料理たちにどんどん箸をのばした。

「おいし~!あ、これも!も~こんなにおいしいのに食べないで飲んでるなんて、みんなホントお酒好きだよね。総は?食べないの?」

「ああ、さっき西門でちょっと食ってきたからな。あとで食うよ。おい、滋!お前それやめろ!ケーキとウォッカとか気持ち悪すぎだろ!司も、類に絡むな!そいつ時差ボケで寝てんだろ、起こすとあとが大変だろーが!」

それを横目に食べてたら・・・

「ぐっ!ぐ、るしっ!!!!!」

喉におかずがっ!!あたしはそこにあったグラスに手を伸ばして一気に飲み干した。

「つくし、それお前!」

総が叫んだけど、中身をごくっと飲み干し。その瞬間・・・あたしの喉は焼けそうに熱くなって意識がどこかへ行ってしまった。

***
とっても疲れてたつくしちゃん、道明寺邸について早々(||゜ω゜)ヒィィィ!(゜ω゜||)
さてさてどうなりますことやらwwwまあお楽しみくださいませ❤
まあタイトルがこれなんで「新年早々向日葵さんこれですか~!?」って感じで
おいお~い(;^ω^)と笑いながら読んでいただけたらと思います☆彡

次回の更新は18時です~(〃ノ∀・)゚+o。ョロシクネッ。o+゚