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2016.12.28 懐かしのこの場所で 3
懐かしのこの場所で

久しぶりにきた茶室も何1つ変わってなかった。俺が選んだ内装もそのまま、きちんと手入れされて大事に使われてたことにちょっとうれしくなった。

「へえ~、あたしここにはいるのはじめてだ。そ、若宗匠が在学中の時には機会がありませんでしたから。」

俺が高等部にあがる時に茶室がほしいと言って作らせたここは内装も外装も俺の趣味で選んで作ったからまさに俺好みの茶室。昔からそこら辺の価値観は変わってないらしいし、つくしもそれがわかったのかにこにこして調度品を見てる。

「西門様、こちらの掛軸素晴らしいと思いません?私が最近寄付したんですのよ。」

茶室にはどう考えても派手すぎる掛軸を自慢げに見せる藤堂。これで西門の茶会に出んのか?お前、ホントに静と同じ血が一滴でも流れてんのかと聞きたくなるのをあえて無視すればムスッとして怒ってやがる。

「あの、藤堂さん、準備が終わりました。皆さんお待ちです。」

さっき呼びにきてくれた女の子はどうも気の弱そうな感じだ。英徳じゃかなり目立たない部類の子だろうな。だがラウンジからここまでつくしといろいろ茶の話で盛り上がってたから、茶を好きないい子なんだってことはよくわかる。

「じゃあ、始めましょうか。茶道部の方は私と弟子の牧野の動きをよく見ておかれるといいでしょう、勉強になると思います。あまり固くならずにリラックスしていきましょう、よろしくお願いします。」

「よろしくお願いいたします。」

俺とつくしの言葉に見てた子たちが頭を下げる。女の子が7人、それが今の英徳の茶道部の人間らしい。その中でも威張り散らしてあれこれ命令してる藤堂はこの学園の女王ってとこか。かつての自分たちを思い出してどうも滑稽にしか見えない。

俺が茶を点てる姿を客として座ってる生徒だけでなく隣の部屋から見てる子たちまできゃあきゃあとまた写真を撮りまくってる。それがどれだけ失礼なことかだとか、茶室で静かにしようって気はないのかとか、言いたいことは山ほどあるがここではぐっと我慢だ、俺ももう大人なんだ。

「・・・あの、皆さん。お茶室でそういった行為は失礼に当たりますからやめていただけますか?せっかくお茶を点ててくださる若宗匠に対して失礼です。」

あまりにうるさいやつらにつくしがビシッと文句を言えば逆につくしを小馬鹿にしたかのように笑い睨みを利かせるやつら。俺の立場をわかって言ってくれてるつくしの言葉は届かなかったらしい。確かに俺らもこの年の頃、大人の言うことなんて聞いた試しなかったな。

「静かにできない方、最低限のマナーも守れない方は退席を。ここは茶室です。」

俺の睨みにようやく静かになった。茶を飲むやつらの手元はまあそれなりに作法を知ってるって感じだがただそれだけ。茶を楽しもうとかいう気はさらさらないのがわかる。作法さえ身についてればいいって習うやつがほとんどだから仕方ない。

それからつくしと交互に茶を点てたが、つくしが茶を点てる時には客になりたがるやつがほとんどおらず仕方なく後半は俺がずっと茶を点てた。つくしは茶道部の子達に手付きや所作の細かいところを小声で教えてやっていて、こいつも成長したな、なんて思えてうれしくなった。

終わってからは俺の周りには黄色い声を出す生徒たちが群がり、つくしの周りには茶道部の生徒たち。話が合うのか、いろいろ教えてやってる姿が何ともくすぐったい。数年前まで抹茶がまずいなんて言ってたやつの姿とはとても思えない。

「西門様、このあとみんなでご一緒にお食事でもどうですか?いろいろと在学中のお話も聞きたいですわ。」

藤堂のそんな言葉に取り巻きのようなやつらがさすがのなんだのと褒めたたえてる。

「申し訳ないがこのあとは予定が入ってますから。何かご質問があれば西門にお問い合わせください。うちの牧野がご対応しますよ、彼女も卒業生ですから。」

そう言って断れば藤堂がおもしろくないようにボソッと言った。聞こえたそれは俺をキレさせてくれるのに十分な一言だった。

「道明寺様のおさがりのブスなんて。あんなの相手にしたら恥だわ。」

「おい、バカ女。てめーに何がわかんだよ。司でさえ今でも頭のあがんねー女をそこまで言うなら覚悟できてんだろうな、お前の家潰すくらいわけねーんだぞ。」

「ちょっ、総!」

「どっかのホステスと大して変わんねー頭しかねーくせにお嬢様気取ってんな。趣味わり―ラウンジで女王気取って脳ミソつまってねー会話しかできないお前なんかとつくしとじゃ人間の出来が違うんだよ、わかったか整形ブス。」

「なっ!なんて失礼な!私にそんなこと言ってもいいと思ってるんですか!そんな女のためにこの私に暴言なんて!」

「ちょっと!何言ってんの、高校生相手に!」

「お前わかってねーみたいだけど、つくしに傷つければF4全員から報復がくるぞ。ついでに大河原と三条もついてる。静にも連絡とるか?つくしの人間性知ってる静ならお前なんてクソ扱いだぞ。その曲がった鼻さっさとなおしに行けよ、みっともねー。」

キレた俺の言葉に茶室がしんとなって誰も動かなかった。真っ赤な顔で怒りを堪えてるつくし以外は。
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