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2016.12.28 懐かしのこの場所で 1
懐かしのこの場所で

俺たちには懐かしい場所。なんたって出会った場所なんだから当然だ。だがこの光景はデジャヴか?

「・・・ある意味、圧巻、だね、総。まだF4の名前は伊達じゃないんだ。」

確かに。もう卒業して何年もたつってのにいったいこりゃまた・・・

「お待ちしておりました、西門様。本日はよろしくお願いいたします、ではこちらへどうぞ。」

わざわざ学園長のお出迎えにつくしは相変わらずぺこぺことあいさつ。どこを見ても何一つ、俺らがいたころと変わってない英徳学園高等部。正面玄関入口には人の山。何が悲しくてこんな日に、と思ったが仕事の依頼だから仕方がない。

俺の誕生日につくしと過ごしたくて『この日は仕事はいれない』と前々から言ってたが母校からの仕事の依頼にNOといった俺とは対照的に『引き受けて!』と意気込んだのはつくしだった。理由は『久しぶりに行ってみたい』なんて理由。確かにこんな事でもなけりゃ行くことなんてないからな。

「きゃ~西門様~」「やだぁ~カッコいい~素敵~」「きゃ~こっち見てぇ~」

「・・・アイドル並だね、総。女の子の黄色い声しか聞こえないんだけど。どこみても女の子しかいないし。相変わらずもててうれしいでしょ?」

「こんなガキどもにきゃあきゃあ言われて俺が喜ぶとでも思ってんのかよ。ったく、うるさくて頭が痛い。」

「はははっ、そりゃ痛くなるよ、すごい声だもん。あたしなんて視界の端にも入ってないんだろうね、この子達。昔に戻ったみたいで感慨無量?涙が出ちゃうって感じ?」

入り口玄関からずっと続いてる女たちのアーチときゃあきゃあわめく声。確かに昔こんなのは毎日のことだったが、今この年で高校生の女にきゃあきゃあ言われたってうれしいはずがあるか。俺以上にこの状況を楽しんでるつくし。懐かしがるな、こんなのを。

「では、お時間までこちらでお待ちください。あとで生徒代表があいさつにまいります。」

控室に通された俺とつくし。今日は講演の依頼があり、そのあと茶を点ててほしいと言われつくしを連れてきた。2人で約2時間の茶道教室。『そんなのが必要あるようなやつらじゃない』と何度も言ったが俺よりも先につくしが返事をして引き受けちまったんだから仕方ない。

「うわ~、こんな部屋があったんだね。あたし、こんなとこ入ったことなかったよ。あ、あそこの建物なんだろ?新しい校舎かな?ねえ、まだラウンジとか変わらないと思う?非常階段とか中庭とかそのままかな?あとでちょっと見る時間くらいあるよね?」

こいつは仕事のことなんて頭からすっ飛んで懐かしい母校訪問ってのに夢中になってる。まあ、世間は同窓会とかいうのがあるらしいが英徳はそういったのがないし、卒業してからくる用事もないから懐かしいんだろうとガキのようにキョロキョロ落ち着かないかわいいつくしの顔をそのまま眺めていた。

「お前さ、一応ここには俺の助手できたってこと忘れんなよ?あとで茶を点てるんだからな。」

「わかってるよ~。でも懐かしくない?卒業してからはじめてだよ?教室とか変わんないのかな?あ、お茶室って西門の寄付で作ったんでしょ?じゃあ、今日のお茶菓子も西門流御用達のところ?今の時期のお茶菓子って言ったらさ・・・」

浮かれすぎてまったく地に足がついてない感じのつくしは懐かしがったり茶菓子の心配をしたり忙しい。それでも楽しそうな様子にこっちまで楽しい気分になってくる。ホントならこんな仕事引き受けねーんだが、こんなに喜ばれんならまあいいかって気になるんだから俺も甘い。

「失礼いたします。西門様、本日は依頼を引き受けていだたきありがとうございます。はじめまして、ワタクシ、生徒代表の藤堂真里亜です、よろしくお願いしたします。」

あいさつに来た女はきれいだがプライドの高そうないかにもお嬢様のガキ。まあ英徳らしい女の1人だな。

「はじめまして、私、牧野つくしです。私も卒業生なんですよ、今日はよろしくお願いしますね。うわ~きれいな子ですね、若宗匠。すごい美人さんですよ。」

「どうも、よろしく。」

「西門様のような卒業生がいてくださって光栄ですわ。本日、お茶会まで私がサポートさせていただきますのでいろいろ教えてくださいね。」

完全につくしを無視して俺にしか視線と笑った顔を見せない女に心の中で苦笑いとため息が出た。つくしを見ればつくしも笑いを堪えたような顔。だよな、こんなガキ相手じゃ確かに笑うしかない。

「それでは参りましょうか。あ、お付きの方はこちらでお待ちください。」

「いえ、彼女も行きますから。行くぞ、つくし。」

「え?あ、うん。」

今回、つくしは俺の弟子として連れてきたがあえてそんなそぶりを見せないように声をかければちょっと戸惑ったつくしとそれを睨みつけるガキ。おいおい、頼むからやめてくれ。

講堂までの道すがら、見える風景につくしはきょろきょろ楽しげに少し遅れて歩き、俺の隣にぴったり引っ付いてくる藤堂とかいう女はシナを作っては最近のパリではどうだとかファッションの話。どこの飲み屋のねーちゃんだ、お前は。どうも頭の痛くなりそうな今日1日はこうやって始まった。


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