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2016.11.14 そのまなざしのみつめるさき 2
そのまなざしのみつめるさき
=プロローグ2 みんなが思う先 SIDEあきら=

ドアが閉まる音が小さく聞こえて類と同時にほっとため息をついてしまい、顔を見合わせて苦笑した。こんなのは間違ってる。誰もがそう思ってるが、じゃあどうすればいいんだと聞かれれば答えようがない。それなら牧野の決めたことに力を貸せばいいんだろうが、それも違うのがわかってるだけに誰も何も言えずにいる。

「・・・それで総二郎はどうなの?相変わらずなんでしょ?」

「相変わらず、だな。ま、昔のあいつを知ってるから俺としては別になんてことはなかったが、牧野はつらかったはずだ。あいつ、同じ屋敷にいても牧野の存在は完全に無視して暮らしてたからな。」

「まだ総二郎に何も話してないの?いくらなんでも話した方がいいんじゃない?牧野だけの問題じゃない、あいつにも関わる問題なんだから。」

「今のあいつに牧野の話したってどうしようもないさ。相変わらず視界に入れるのも嫌って感じなんだ。それに、牧野自身が話さないでくれって懇願してるんだ、そう言われれば俺は何も言えないさ。」

皮肉な運命。そんな言葉で片付けるには重すぎる現実だ。かつて司が記憶をなくした時、付き合ってた牧野は耐えてそばにいて記憶を取り戻したことがあった。だがあの時とは状況が違う。違いすぎる。なんで牧野ばかりがつらい思いをしないといけないのか。仕方ないとわかっていても腹が立つ。

「あきら、牧野に気持ちが傾いたんじゃない?あれだけ一緒にいればわからなくもないけど。」

「おい、俺がそんなバカに見えるか?牧野は常に総二郎しか見てない。昔から変わらず今も一途にだ。それがわかってて牧野を好きになるほど俺もバカじゃない。なんかあまりにも気の毒で・・・何かしてやりたいんだよ。お前だって日本にいれば同じことしただろ?」

「・・・したね。確かにあんまりだよね。なんで牧野ばっかり・・・総二郎のせいじゃない。司のせいでもない。わかってるけどじゃあ誰のせい?なんで牧野だけが泣かなきゃいけないの?残酷だよ、牧野ばっかり。」

この件で司は誰よりも罪悪感を感じて、NYで名だたる医療機関や研究所を買い占めて原因究明と治療法を探させてる。あいつだってまさかこんなことになるとは思ってなかったはずだ。あの日は俺ら全員があまりに幸せそうな2人の様子に多少くやしい気はしたものの、うらやましいと思ってたんだから。

「司、明日こっちにくるんでしょ?俺、全然連絡とってないんだよね。こっちくるのに休み返上でかなり仕事詰めてたから。今回もこんなことになってるって教えてくれてたら早く帰ってきて牧野説得したのに。」

「説得?誰の話にも耳を貸そうとしなかったんだ、無理だ。司にも電話で牧野の件話したら言葉失ってたよ。だが隠しといても同じだからな。こっちにきてもその件で説得しようとするなって話しといたが、あいつのことだからするだろうな。」

「司としては何としてでも2人には元に戻ってほしいだろうからね。もしかしたら総二郎の方に行くんじゃないの?余計なこと言わなきゃいいけどね。あいつ、キレると手が付けられないから全部話しそうじゃない?」

「そりゃヤバいな。総二郎のところには行くなって念押しとくか。まあ、何言ったって今の総二郎には何も届かないけどな。牧野もそれを望んでるし。」

「・・・いったいこれからどうなるんだろうね。ホントに・・・牧野覚悟決めてるの?」

「ああ。おじさんとおばさんも泣いて止めてたけどな。こうと決めたら頑固なやつだ、そうするだろう。まったく・・・総二郎がまともに戻ったら2・3発ぶん殴ってやりたいよ。」

「ホントだね。あいつも大変なのはわかってるけど殴られて当然でしょ。俺も殴ってやろうかな、俺が総二郎を殴る機会なんてこの先もないだろうし。」

2人で顔を見合わせて笑ったがその笑いはうわべだけのものだ。そんなのは類だってわかってる。だが他にどうしようもない。俺らが泣こうが騒ごうが、今の総二郎を殴ってやったとしても何も変わらないんだから。

それから類とただ飲んだ。2人して互いに会社の上に立つ人間なのにこんなところで仕事の話をする気にもなれないし、かと言って昔の懐かしい話をする気には到底なれない。ただ飲んで、ボトルが空になったころそれぞれ客間へと入った。

この数か月、牧野のそばにいてまったく心が揺るがなかったかと言えば嘘になる。あまりに儚くて弱弱しくて、静かに涙を流す姿を見ては慰めるという名目で何度も抱きしめた。だがわかってた。牧野が誰を想っているのかも、誰のために泣くのかも、あいつの気持ちの向く先を全部。

卑怯なことはしたくない。だがもう泣かせないためならこのままどこかにさらって行こうかって気になった時もあった。でも牧野はきっと総二郎なしでは生きられない。元に戻れない。わかってたからできなかった。それに2人には絶対に元に戻ってほしいという強い希望もあった。

「総二郎・・・頼むから正気に戻れ・・・」

そんなことはあり得ないのについ願ってしまう。総二郎だって苦しんでるからイラついてる。わかってるが・・・また幸せそうに笑って見つめ合う2人が見たい。俺らの願いはただそれだけだった。

***
総つくの話なのに総二郎が出てこない・・・でもだんだん状況がわかってきた?
あきらも類もなんだかつらそうですが、その上をいくつらい現状のようです。
が、がんばろう、総二郎!つくし!それにみんな!読んでくださる皆様も!!

つらいかもしれませんが楽しんでいただけるといいなあ(=゚ω゚)ノ


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