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2016.12.21 そのまなざしのみつめるさき 15
そのまなざしのみつめるさき
=壊れた幸せ8 SIDE司=

それから、さっきの田原とかいう女が入れてくれた茶を一緒に飲み、その女が話す牧野のことにただ耳を傾ける。

最近はだいぶ食事をとれるようになってきたとか、西門の庭で咲いてた花を持ってくると気分がいいみたいだとか、この団子はどこの団子だとか、そんなどうでもいい話にあきらは隣で相槌を打ってる。牧野が団子を食べ茶を飲む姿にちょっとほっとしつつも、頭の中では全く違うことを考えてた。

牧野のやつ、絶対離婚を考えてやがる。子供がもうできねぇかもしれないこと。子供を亡くしちまったこと。自分のせいで総二郎が怪我したと。どれも、それこそ牧野自身で望んでそうしたわけでもねぇことなのに、こいつは自分を責めて責めて責めて、総二郎も目を覚まさねぇうちから自分で自分に決着をつけようとしてる。

「牧野。俺もこの病院にいるからな。また夕食の時にくるよ。お前がちゃんと食事とってるかチェックしにくるから夕食一緒にとろう。」

あきらのその言葉に牧野がコクンとうなずく。あきらはあきらで、まず何をやるべきか決めたらしい。

「牧野。総二郎のことは心配いらねぇ。アメリカで医者と研究施設買いとったからな、治験してちゃんと結果を出させる。ちゃんと目が覚めるよう俺がやってやるから、お前はなんも心配しねぇで自分の体を治すことを考えろ。いいな。ちゃんと飯食えよ。毎日団子でも何でもいい、ちゃんと食って元気になれ。じゃねぇと毎日俺も押し掛けるからな。」

いつものように。そう思ってくしゃっと撫でた髪はいつもと同じなのに。牧野は何の反応も示さず、ただコクンとうなずくだけ。だがそれでも意思の疎通がとれるだけマシだと思ったほうがいいんだろうか。牧野が死ぬことを考えないだけで、マシだと。くそっ、なんでこんな。こいつにこんな思いさせたくねぇのに、いつもつらい思いさせるのは俺だ。道明寺だ。

部屋を出てすぐにあきらが自分の部屋にこい、と言う。ちょうどいい、俺も2人で話がしたかった。

「司。お前ならわかったよな、牧野が何考えてるのか。」

ベッドに横になったあきらも少し疲れた顔をしてる。まだ体調が完全ではないのに動いて疲れたのかもしれねぇ。

「あいつ、総二郎が目を覚ましたら、もし総二郎が何も覚えてなかったら。いや、覚えてたとしても離婚する気なんじゃねぇのか。俺のせいじゃねぇとか言っといて、あいつがあいつを一番責めてやがる。それこそ牧野のせいなんかじゃないってのによ。」

「総二郎が自分をかばって撃たれてるからな、そう思っても仕方ないのかもしれないが・・・今は精神的にもいいことなんて考えられないだろうし。それにしても・・・まさか総二郎には何も言うな、なんてな。子供ができにくいくらい別にどうってことないのにな。総二郎だって目を覚ませばそう言うはずだ。今のあいつじゃ前向きになんて考えられないだろうが・・・」

「離婚だなんて冗談じゃねぇ!絶対俺は許さねぇぞ!」

「そんなのお前じゃなくったって反対だ。大体総二郎の両親だって牧野のことは大事にしてくれてるんだ、反対するだろうし引き留めるだろうが・・・」

「が、なんだよ。」

「いや、西門のじいさんたちはどう出るかと思ってな。現状西門は家元夫妻、若宗匠夫妻共に病院にいるから機能してないはずだ。4人が動けない今、西門の重鎮たちが仕切ってるだろ。牧野が今後妊娠しにくいなんて話がそっちに漏れたら、おそらくそっちから離婚しろって話があがってくるかもな。」

「ああっ!?んなのそんな爺どもには何の関係もねぇ話だろ!」

「個人としては全く関係ないが西門が絡んでくると話は別だ。今までもさんざん西門の後継者問題で牧野は苦労してたはずだし、総二郎も牧野には言ってなかったみたいだがけっこううんざりするくらいだったみたいだからな。牧野もそこらへんは俺らよりわかってるから、外野からとやかく言われる前に自分の意志で離婚したいのかもしれないな・・・」

冗談じゃねぇ!だが・・・

「総二郎が、あいつが目を覚ました時に覚えてたらいいだけの話だ。覚えてなくても思い出しゃいい話だろ。そうすりゃあいつが牧野を手放すはずがねぇ。」

「まあな。総二郎が目を覚ましてない今、俺らも想像しだせば悪いほうに考えてしまう。それを牧野にするなってのは無理な話だな。とりあえず総二郎が目を覚ましてからだ。それまで、俺たちは俺たちでできることをしよう。」

「ああ。だな。」

牧野だけを責められない。そう考えちまう気持ちもわからなくもない。今のあいつはいろんなものをいっぺんに失って・・・確かにそんな時なら弱気にもなっちまうのも仕方ねぇだろう。

「あきら。お前、ここにいるあいだは、これからずっと牧野にくっついてろ。」

あきらが苦笑する。

「なんだくっついてろって。俺はどこのガキだよ。」

「うるせぇ。俺もなるべくくるから、お前、牧野を頼むぞ。」

「お前に言われなくてもわかってるさ、そのくらい。」

「俺は滋と桜子にこの件話してくる。女の意見も必要だろうからな。」

「そうだな・・・あいつらの判断も聞きたいしな。」

「また連絡する。待ってろ。」

それから俺はあきらの部屋を後にした。

***
あきらは動けないけどつくしのそばにいることにしたみたいですね。
司は滋と桜子と会うようです。あの2人はいったいどうしてるのか?そういえば優紀ちゃんは?
頑張って、司!君が頼りだ!!

次回は金曜日12時更新です。次回が連載は今年最後の更新となります。
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