FC2ブログ
 『Life is Beautiful』をのぞきにきてくださってありがとうございます。
 しばらくサイトをあちこちさわる予定なので、お見苦しいところもあるかもしれませんが
 ご理解ください。よろしくお願いします。

 現在お話の更新予定はまだ未定となっております。今しばらくお待ちくださいm(__)m

 INDEX

2016.12.09 そのまなざしのみつめるさき 10
そのまなざしのみつめるさき
=壊れた幸せ3 SIDE司=

ありえねぇ!ありえねぇありえねぇありえねぇ!!なんなんだそれは!どういうことだよヤブ医者が!んなことあってたまるかよ!

俺の通る道を顔色の青ざめた社員たちが飛び退くようにどけやがる。後ろを電話でどこかに指示を出しながらの西田もついてきてやがるが、おせぇよ!さっさとしねぇか能面じじい!イライラの限界でそこにあった植木鉢を蹴っ飛ばしたら、俺の足にも激痛が走った。

「くそっ!なんだってんだ、こんなの!邪魔くせぇ!いてぇじゃねぇかよ!」

「副社長、いい加減にされてください。本来はまだ松葉杖をついていなくてはいけない状態なのですよ。少しは速度を落としてゆっくり・・・」

「うるせぇ!!!」

俺の剣幕に周囲にいた人間はとっくにいなくなって、廊下には俺と西田だけ。相変わらずの能面ヅラだけが無表情に俺を見ている。

「俺の体なんてどうでもいいんだよ!こんなの屁でもねぇ!それより!」

「それ以上のお話をここでされるのはおやめください。」

「なんだと!」

「それ以上はつくし様の最もプライベートなことでございます。このようなところで怒り任せにお話されるべきことではありません。そもそも、本来は司様が知るべきことでさえありません。つくし様が道明寺記念病院にいらっしゃいますから病状が報告としてあがっており、今回副社長は報告として知りえただけで、」

「んなこたぁ言われなくてもわかってる!」

歩き出す俺の後ろを、ため息をついた西田がついてくる。

「せめてその般若のようなお顔はどうにかされた方がよろしいかと。そんなお顔で病院に行かれたらつくし様が余計気を使われます。」

言われなくてもわかってる!だがこれを、この怒りをいったい誰に向けりゃあいいってんだ!病院へと向かう車の中で、西田が手渡してきた水を飲み干して一息ついた。確かに、冷静にならねぇといけねぇ。俺が、俺様が責任を持ってやるべきことだ。

「西田。てめぇもあの報告書読んでんだろ?内容全部読みあげろ。」

「お読みになられたのでは?」

「最初の数行読んだ時点でキレてPCの画面ブチなげた。だからそれ以上は読めてねぇよ。」

「まったく・・・社の備品になんてことをされるんですか。あれは副社長室専用の特別仕様なんですよ、今後は慎まれてください。」

「いいからさっさと報告書読みあげろ!」

「かしこまりました。」

西田がタブレットの画面をみながら淡々と読みあげた内容は、いったい何の冗談だと喚き散らしたくなるものだった。牧野の声が出ない。しゃべれていない。ストレス性の失語症の可能性が強い。狂ったかのように総二郎が自分をかばってケガをしたこと、子供を亡くしたことを泣き叫んで嘆いてたってのに、ここ数日表情さえ表に出さなくなって様子がおかしい。今後の検査次第では心療内科系の治療も追加する必要がある。そんな内容だった。

「西田。その報告あげた医者、腕はまともなんだろうな。」

「道明寺記念病院の病院長の診断です。それに、総二郎様、つくし様の治療に関しては各分野のスペシャリストを集めて特別治療チームを作って対応しております。そのチームが出した報告書ですから間違いはないかと。」

「だから牧野にホントのことを話すのはやめろって言ったんだ!」

「それは司様がお決めになることではございません。西門家、牧野家両家の皆様で話し合われて決められたことです。何よりつくし様の強いご希望だったのです、仕方ございません。」

わかってるさ、んなことは。わかってるが、じゃあいったい俺はこれからどうすりゃいいってんだ。頭を抱えたくなる状況にこれからのことを考えてたら、車はすぐに病院についた。

「司様、十分に気を付けられてください。病院内での司様の行動や言動は高い確率でつくし様のお耳に入ります。つくし様がこれ以上気に病まれないようにして差しあげるのが、今は一番よろしいかと。」

「俺もそんなバカじゃねぇ。こい、西田。」

怒りのオーラを何とか封じ込めて、院長室に向かった。院長は青ざめた顔で俺を出迎え、報告書をあげた責任者の医者を院長室に呼び話を聞くが、結局は同じことだった。牧野はしゃべれてない。ただじっと窓の外を眺めてるだけだそうだ。

「・・・おい。万が一、あいつが変なこと考えて窓の外に飛び出す、なんてことはないんだろうな。」

「今の精神状態ですと、絶対にないとは言いきれない状態です。かといって投薬治療に踏み切るのもまだ内臓損傷も治りきっていない段階ですし・・・今はご家族に決して目を離さないようにお願いしております。万が一の場合も、窓は開かないようにしてありますので大丈夫でございます。その他危険と思われるものはすべて遠ざけてさせていただいております。」

俺のせいであいつら。俺が、全部ぶち壊しただけじゃ飽き足らず、まだ、まだあいつらにこれ以上の苦しみを科すのかよ。柄にもなく頭を抱えてしまった。

―――コンコン。

ドアのノックの音とともに入ってきたのはあきらだった。

「よう。こっちきてるって聞いてな、って。どうしたんだ司?顔色悪いぞ?」

心配そうなあきらの顔を眺めながら、俺はしばらく言葉を発することができなかった。

***
さすがの司も・・・どうにもできない状態です。
司自身もケガをしてるけどそんなのどうでもいいくらい、司も2人のことに心を痛めて苦しんでる。
司くんごめんよ、とホントに言いたくなります・・・
次回は誰?第三者的な視線で見てくれる方の登場です。

次回は月曜12:00更新です~
関連記事
スポンサーサイト



Secret