FC2ブログ
 『Life is Beautiful』をのぞきにきてくださってありがとうございます。
 しばらくサイトをあちこちさわる予定なので、お見苦しいところもあるかもしれませんが
 ご理解ください。よろしくお願いします。

 現在お話の更新予定はまだ未定となっております。今しばらくお待ちくださいm(__)m

 INDEX

2016.12.05 そのまなざしのみつめるさき 8
そのまなざしのみつめるさき
=壊れた幸せ1 SIDEつくし=

―――――総、行かないで、総。あたしをおいていかないで、そ・・・

「・・・う・・・」

「っ!つくし!?目が覚めたのつくし?」

ひどく重い頭のまま目を覚ますと、見えたのはママの顔だった。ひどく青い顔。それに、独特のこの匂いは・・・

「・・・ここ病院?・・・なんで・・・?」

「姉ちゃん、大丈夫か?俺、先生呼んでくるよ。」

一瞬見えた進の顔も顔色が悪かった。なんで・・・

「つくし、大丈夫よ。まだ動いちゃだめよ、今お医者様がくるからね。」

涙ぐむママの顔を見ながら頭に浮かんだのは・・・血の色だった。

「ママ、総は?総はどうなったの?総、あたしをかばって・・・生きてるよね?大丈夫だよね?」

遠くから銃口を向けてきた男の人。最初の数発はその人から一番近かったあたしと類に当たった。ホントならいつもはそれぞれの家のSPがたくさんいただろうけど、場所が人通りの多いところだったし急な帰国でみんな明日には日本を去るからか、いつもよりSPさんの数も少なかった。あたしたちの少し離れたところを通り過ぎる人ごみの中からの発砲に、歩いていた人たちもパニックになって犯人を取り押さえるのに時間がかかってしまった。

「つくし、総二郎さんは大丈夫だから、とにかくあんたも安静にしとかないと。動いちゃだめよ、今お医者様くるからほらじっとして。」

起きあがろうとするあたしを押さえるママは慌てていた。でも、あんなの・・・大丈夫なはずがない。撃たれたあたしをかばうように抱きしめてくれた総も、肩のあたりが真っ赤に染まっていた。それに・・・

「ホントに大丈夫なんだよね?だって総、頭を・・・頭を撃たれたのに・・・あたしをかばったせいで・・・」

「つくし、落ち着いて。」

たぶん、いや、確実に総の後頭部に弾が当たった。総は崩れるように倒れて、見まわしたあたりも悲惨な状況だった。SPに囲まれた道明寺も美作さんも倒れ込んでいたし、類も意識がなかった。犯人は銃を両手に持って暴れまくって、SPの人たち数名が撃たれながら取り押さえて、通行人も何人も倒れていて悲鳴と遠巻きに見守る人で大混乱と化していた。

あたしを抱きしめながら倒れた総の頭部の後ろには血の海が広がっていた。ただ怖くて、総の命が流れ出ている気がして手が震えた。あたしも痛かった。痛くてたまらなかった。でも、あたしの大事な人が、目の前で大事な命が消えるかもしれない瞬間を見ていることしかできない自分が・・・

「・・・ママ、赤ちゃんは?」

「・・・っ、つくし・・・」

「あたしと総の赤ちゃんは・・・どうなったの?あたしたちの赤ちゃん・・・」

「つくしさん!」

見たこともないくらいひどい顔色でやつれたお義母様が、白衣を着たおじさんと看護師と一緒に病室に飛び込んできた。

「お義母様、あたし・・・総はどうなったんですか?赤ちゃんは?あたしと総の赤ちゃんは?大丈夫ですよね?2人とも、みんな大丈夫ですよね?」

「つくしさん、今は何も考えないで・・・総二郎も頑張ってるわ。だから・・・」

「若奥様、まだ起きあがられてはいけません。まだ安静に・・・」

「あたしの赤ちゃんは?どうなったんですか?総があんなに楽しみにしてくれてたのに、あたしの赤ちゃんは?先生!大丈夫だって言ってください!ねえ、ママ!お義母様!あたしの・・・」

「西門さん、落ち着いてください!」

あたしの肩を押さえる看護師さんたちでさえあたしと目を合わせようとしてくれない。誰も、誰も、あたしに大丈夫だと言ってくれない。あたしの赤ちゃんは無事だと言ってくれない。嘘だ!嘘だ!!!

「総!やだ!総!あたし、総の赤ちゃん産むんだもん!離して!」

「つくしさん!」

暴れるあたしの肩に手を置いて、泣きはらした顔であたしを見つめるお義母様は、ゆっくりと、言葉を発した。

「つくしさん。いい、赤ちゃんはね・・・あなたの赤ちゃんは、あなたを助けてくれたの。だからね、もう、赤ちゃんは・・・」

「いや!嘘!ウソ!聞きたくない!そんな嘘聞きたくない!総!総!」

「おい、鎮静剤を!」

どうしてどうしてどうして!あたし、何も悪いことしてない!あたしはただ、あたしは・・・混乱する頭では何も考えられなくて、気がつけば意識が遠のいていった。





―――ふわふわのたんぽぽの綿毛が飛ぶ、きれいなお花畑。気がつけばそこにいた。でも誰もいない。あたしだけだった。

「総!」

『大丈夫だよ。』

どこかからか声が聞こえて、目の前には小さな蝶がひらひらと飛んでいる。

『大丈夫だよ、心配しないで。』

その蝶が話しているように聞こえた。

『大丈夫。ちょっと遅くなるけど、すぐに会えるよ。』

「誰と?赤ちゃん?それとも総?あなたが、2人を連れいていっちゃうの?」

『そんなこと、しないよ。』

「お願い。あたしはどうなってもいいの。だから総を、赤ちゃんを助けて。」

『これからきっとつらいよ。でも耐えたら、耐えられたら、きっといいことがあるから、待ってて。』

「待って!どういうこと!2人を助けてくれるの?」

『ごめんね、これが精一杯だったんだよ。』

「待って!」

『でも、あなたなら大丈夫だよ・・・ママ・・・』

蝶は空の彼方へ消えてしまった。

***
ああ、つくし・・・ごめんね、ごめんよ。と思いながら書いてました。
こんなにつらい思いをさせてしまってるけど、だからこそ幸せになってほしいし
幸せにしてやるぞ!と思いながら・・・でも読んで不快な思いをされる方もいたかと思います。
申し訳ありません。しばらくはホントけっこうつらいかもしれない・・・

次回更新は水曜12:00です。
関連記事
スポンサーサイト



Secret