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 『Life is Beautiful』をのぞきにきてくださってありがとうございます。
 しばらくサイトをあちこちさわる予定なので、お見苦しいところもあるかもしれませんが
 ご理解ください。よろしくお願いします。

 現在お話の更新予定はまだ未定となっております。今しばらくお待ちくださいm(__)m

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2016.12.01 秋のお宿で 1
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2016.12.01 秋のお宿で 2
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2016.12.01 秋のお宿で 3
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2016.12.01 秋のお宿で 6
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2016.12.01 秋のお宿で 7【Fin】
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2016.12.28 懐かしのこの場所で 1
懐かしのこの場所で

俺たちには懐かしい場所。なんたって出会った場所なんだから当然だ。だがこの光景はデジャヴか?

「・・・ある意味、圧巻、だね、総。まだF4の名前は伊達じゃないんだ。」

確かに。もう卒業して何年もたつってのにいったいこりゃまた・・・

「お待ちしておりました、西門様。本日はよろしくお願いいたします、ではこちらへどうぞ。」

わざわざ学園長のお出迎えにつくしは相変わらずぺこぺことあいさつ。どこを見ても何一つ、俺らがいたころと変わってない英徳学園高等部。正面玄関入口には人の山。何が悲しくてこんな日に、と思ったが仕事の依頼だから仕方がない。

俺の誕生日につくしと過ごしたくて『この日は仕事はいれない』と前々から言ってたが母校からの仕事の依頼にNOといった俺とは対照的に『引き受けて!』と意気込んだのはつくしだった。理由は『久しぶりに行ってみたい』なんて理由。確かにこんな事でもなけりゃ行くことなんてないからな。

「きゃ~西門様~」「やだぁ~カッコいい~素敵~」「きゃ~こっち見てぇ~」

「・・・アイドル並だね、総。女の子の黄色い声しか聞こえないんだけど。どこみても女の子しかいないし。相変わらずもててうれしいでしょ?」

「こんなガキどもにきゃあきゃあ言われて俺が喜ぶとでも思ってんのかよ。ったく、うるさくて頭が痛い。」

「はははっ、そりゃ痛くなるよ、すごい声だもん。あたしなんて視界の端にも入ってないんだろうね、この子達。昔に戻ったみたいで感慨無量?涙が出ちゃうって感じ?」

入り口玄関からずっと続いてる女たちのアーチときゃあきゃあわめく声。確かに昔こんなのは毎日のことだったが、今この年で高校生の女にきゃあきゃあ言われたってうれしいはずがあるか。俺以上にこの状況を楽しんでるつくし。懐かしがるな、こんなのを。

「では、お時間までこちらでお待ちください。あとで生徒代表があいさつにまいります。」

控室に通された俺とつくし。今日は講演の依頼があり、そのあと茶を点ててほしいと言われつくしを連れてきた。2人で約2時間の茶道教室。『そんなのが必要あるようなやつらじゃない』と何度も言ったが俺よりも先につくしが返事をして引き受けちまったんだから仕方ない。

「うわ~、こんな部屋があったんだね。あたし、こんなとこ入ったことなかったよ。あ、あそこの建物なんだろ?新しい校舎かな?ねえ、まだラウンジとか変わらないと思う?非常階段とか中庭とかそのままかな?あとでちょっと見る時間くらいあるよね?」

こいつは仕事のことなんて頭からすっ飛んで懐かしい母校訪問ってのに夢中になってる。まあ、世間は同窓会とかいうのがあるらしいが英徳はそういったのがないし、卒業してからくる用事もないから懐かしいんだろうとガキのようにキョロキョロ落ち着かないかわいいつくしの顔をそのまま眺めていた。

「お前さ、一応ここには俺の助手できたってこと忘れんなよ?あとで茶を点てるんだからな。」

「わかってるよ~。でも懐かしくない?卒業してからはじめてだよ?教室とか変わんないのかな?あ、お茶室って西門の寄付で作ったんでしょ?じゃあ、今日のお茶菓子も西門流御用達のところ?今の時期のお茶菓子って言ったらさ・・・」

浮かれすぎてまったく地に足がついてない感じのつくしは懐かしがったり茶菓子の心配をしたり忙しい。それでも楽しそうな様子にこっちまで楽しい気分になってくる。ホントならこんな仕事引き受けねーんだが、こんなに喜ばれんならまあいいかって気になるんだから俺も甘い。

「失礼いたします。西門様、本日は依頼を引き受けていだたきありがとうございます。はじめまして、ワタクシ、生徒代表の藤堂真里亜です、よろしくお願いしたします。」

あいさつに来た女はきれいだがプライドの高そうないかにもお嬢様のガキ。まあ英徳らしい女の1人だな。

「はじめまして、私、牧野つくしです。私も卒業生なんですよ、今日はよろしくお願いしますね。うわ~きれいな子ですね、若宗匠。すごい美人さんですよ。」

「どうも、よろしく。」

「西門様のような卒業生がいてくださって光栄ですわ。本日、お茶会まで私がサポートさせていただきますのでいろいろ教えてくださいね。」

完全につくしを無視して俺にしか視線と笑った顔を見せない女に心の中で苦笑いとため息が出た。つくしを見ればつくしも笑いを堪えたような顔。だよな、こんなガキ相手じゃ確かに笑うしかない。

「それでは参りましょうか。あ、お付きの方はこちらでお待ちください。」

「いえ、彼女も行きますから。行くぞ、つくし。」

「え?あ、うん。」

今回、つくしは俺の弟子として連れてきたがあえてそんなそぶりを見せないように声をかければちょっと戸惑ったつくしとそれを睨みつけるガキ。おいおい、頼むからやめてくれ。

講堂までの道すがら、見える風景につくしはきょろきょろ楽しげに少し遅れて歩き、俺の隣にぴったり引っ付いてくる藤堂とかいう女はシナを作っては最近のパリではどうだとかファッションの話。どこの飲み屋のねーちゃんだ、お前は。どうも頭の痛くなりそうな今日1日はこうやって始まった。


2016.12.28 懐かしのこの場所で 2
懐かしのこの場所で

パチパチパチパチ。きゃ~!こっち向いてぇ~!西門様ぁ~!パシャパシャッ!

「なあ、あのバカガキども、俺の話ちゃんと聞いてたと思うか?」

「自分がどうだったか思い出してみたら?あ、総はこんなの出たこともないか。あたしが高校生の頃は一応ちゃんと話聞いてたけど、たぶんあの子たちは話ってより総の顔見て写真撮る方に忙しかったと思うよ。」

「だよな・・・だからこんな仕事引き受けたくなかったんだよ、俺は。」

講演が終わった舞台袖でこそこそ話をする俺とつくし。どう見ても誰も話を聞いてないやつらに真面目に話をするのもバカらしかったが一応依頼はこなした。しかし、ホントにこんなのはバカらしい。どうせこいつらのほとんどが経済界に出るのに俺なんかの話が何の役に立つってんだ。

「西門様、お疲れさまでした。素晴らしい講演でしたわ。お茶会までまだお時間がございますからコーヒーでもご一緒いたしましょう。」

お前が一番聞いてなかっただろって言いたくなったのを堪えて藤堂を見ればまったく一分の隙もないメイク。今化粧直してきましたみたいな顔していったい俺の話の何を聞いてたんだか、逆に俺が聞いてみたい。

「あの、せっかくだからラウンジでコーヒーとかダメですか?」

「はい?」

つくしの提案に睨みを利かせた藤堂だったが俺ににっこり笑って『じゃあ、ラウンジにまいりましょう』なんていうあたり、昔を思い出して笑っちまう。どうもつくしも同じだったようで2人して苦笑いした。こんなとこまで昔と同じじゃなくてもいいんだがな、まったく。

「ラウンジは3年前に内装を一新いたしましたの。私の叔父がインテリアデザインの賞をとった有名な・・・」

延々自慢話を語る藤堂の横を俺が歩き、つくしは少し下がって歩く。仕事できた時は大体こんな感じでつくしは一歩後ろに下がって歩くんだが、どうも藤堂はそれを大きく勘違いしてるらしく俺にすり寄ってきてなれなれしく俺の腕に触れる。いったい何が悲しくてこんなガキ相手にって思うがさすがに怒れない。

「「うわ・・・」」

どう見てもどっかの勘違いヤローのゴテゴテ成金風に変わっちまったラウンジに思わず2人してため息とも落胆ともいえる声が出てしまったのは仕方ないだろう。品のいいなんて言葉とは程遠い、キラッキラゴッテゴテに飾り付けられたラウンジはどっかの王朝風デザインにすっかり変わっていた。

「ちょっと!コーヒー3つ、ここにもって来なさい。」

この趣味の悪い館の女王気取りの藤堂はそこらにいた男子学生に命令してコーヒーを頼んだ。それに誰より恐縮してるつくしにあきらめろと視線を送れば苦笑い。ホントに苦笑いするしかない状況だ、これは。ん?ちょっと待て、もしかして・・・

「なあ、あんた、もしかして静の親戚かなんかか?」

「ええ、私、静お姉様とは遠縁にあたりますの。ですから西門様のこともよく存じ上げてますわ。きっとここにいる誰よりも。」

そう言ってちらっとつくしを見ては優越感丸出しの顔を見せる。いくら静の遠縁でもお前なんかが俺の何を知ってるってんだ、いったい。どうもこういう勘違い女は苦手だ。だがその話に俺より食いついたのはつくしだった。

「静さんの?どおりでとっても美人さんだと思いました。静さんはお元気なんですか?もう何年会ってないんだろう?懐かしいね、総。今もフランスにいるんですか?今も弁護士さんしてるのかな?連絡とかあるんですか?あ、もうお子さんとか生まれたのかな?」

まさかのつくしの返しにびっくりしてる藤堂。さっきまで視界の端にも入れずに無視してたつくしが静を知ってるって話をするのは意外だったらしい。運ばれてきたコーヒーに礼を言って飲みつつ、藤堂を質問攻めにしてるつくしを見ておかしくなった。

ホントにへこたれず、昔も今も変わらない。表情をクルクル変えて話をするその顔は確かに大人になったがここにいた昔と何1つ変わってない気がする。昔のつくしの蹴りとグーで司を殴る姿を思い出して、そういやここだったと懐かしくなった。

「西門様。私、今度西門流でのお茶会に参加いたしますの。皆さん初釜にはどのようなお着物でこられるんですか?まだまだ初心者の私にいろいろ教えてくださいません?」

つくしの質問に適当に答えてた藤堂は俺に椅子を近づけて腕にその腕を回してくる。そんなこと、俺に聞かなくたって知ってるくせにあえて聞いてくるあたりが確信犯だよな。だがそんなのとっくにバレてんだがそんなこともわかんねーバカなのか。

「あのね、初釜には・・・」

「あなたには聞いてません。私は西門様に聞いてるんです。ねえ、西門様。今度ゆっくり教えてくださいませんか?私、とってもいいお店を知ってるんです。」

いったい高校生のガキのこれをどうしろってのか。俺に恋人がいることももう遊んでないことも、知ってるやつは知ってるってんだから藤堂だって知ってるはずなのにこの状況。お前みたいなガキに俺がその気になると思ってるところが痛いんだがいったいそれをどう説明するよ?

「お茶室の準備が整いました。」

そう呼びにきてくれたまじめそうな女の子にホントに感謝したくなった。
2016.12.28 懐かしのこの場所で 3
懐かしのこの場所で

久しぶりにきた茶室も何1つ変わってなかった。俺が選んだ内装もそのまま、きちんと手入れされて大事に使われてたことにちょっとうれしくなった。

「へえ~、あたしここにはいるのはじめてだ。そ、若宗匠が在学中の時には機会がありませんでしたから。」

俺が高等部にあがる時に茶室がほしいと言って作らせたここは内装も外装も俺の趣味で選んで作ったからまさに俺好みの茶室。昔からそこら辺の価値観は変わってないらしいし、つくしもそれがわかったのかにこにこして調度品を見てる。

「西門様、こちらの掛軸素晴らしいと思いません?私が最近寄付したんですのよ。」

茶室にはどう考えても派手すぎる掛軸を自慢げに見せる藤堂。これで西門の茶会に出んのか?お前、ホントに静と同じ血が一滴でも流れてんのかと聞きたくなるのをあえて無視すればムスッとして怒ってやがる。

「あの、藤堂さん、準備が終わりました。皆さんお待ちです。」

さっき呼びにきてくれた女の子はどうも気の弱そうな感じだ。英徳じゃかなり目立たない部類の子だろうな。だがラウンジからここまでつくしといろいろ茶の話で盛り上がってたから、茶を好きないい子なんだってことはよくわかる。

「じゃあ、始めましょうか。茶道部の方は私と弟子の牧野の動きをよく見ておかれるといいでしょう、勉強になると思います。あまり固くならずにリラックスしていきましょう、よろしくお願いします。」

「よろしくお願いいたします。」

俺とつくしの言葉に見てた子たちが頭を下げる。女の子が7人、それが今の英徳の茶道部の人間らしい。その中でも威張り散らしてあれこれ命令してる藤堂はこの学園の女王ってとこか。かつての自分たちを思い出してどうも滑稽にしか見えない。

俺が茶を点てる姿を客として座ってる生徒だけでなく隣の部屋から見てる子たちまできゃあきゃあとまた写真を撮りまくってる。それがどれだけ失礼なことかだとか、茶室で静かにしようって気はないのかとか、言いたいことは山ほどあるがここではぐっと我慢だ、俺ももう大人なんだ。

「・・・あの、皆さん。お茶室でそういった行為は失礼に当たりますからやめていただけますか?せっかくお茶を点ててくださる若宗匠に対して失礼です。」

あまりにうるさいやつらにつくしがビシッと文句を言えば逆につくしを小馬鹿にしたかのように笑い睨みを利かせるやつら。俺の立場をわかって言ってくれてるつくしの言葉は届かなかったらしい。確かに俺らもこの年の頃、大人の言うことなんて聞いた試しなかったな。

「静かにできない方、最低限のマナーも守れない方は退席を。ここは茶室です。」

俺の睨みにようやく静かになった。茶を飲むやつらの手元はまあそれなりに作法を知ってるって感じだがただそれだけ。茶を楽しもうとかいう気はさらさらないのがわかる。作法さえ身についてればいいって習うやつがほとんどだから仕方ない。

それからつくしと交互に茶を点てたが、つくしが茶を点てる時には客になりたがるやつがほとんどおらず仕方なく後半は俺がずっと茶を点てた。つくしは茶道部の子達に手付きや所作の細かいところを小声で教えてやっていて、こいつも成長したな、なんて思えてうれしくなった。

終わってからは俺の周りには黄色い声を出す生徒たちが群がり、つくしの周りには茶道部の生徒たち。話が合うのか、いろいろ教えてやってる姿が何ともくすぐったい。数年前まで抹茶がまずいなんて言ってたやつの姿とはとても思えない。

「西門様、このあとみんなでご一緒にお食事でもどうですか?いろいろと在学中のお話も聞きたいですわ。」

藤堂のそんな言葉に取り巻きのようなやつらがさすがのなんだのと褒めたたえてる。

「申し訳ないがこのあとは予定が入ってますから。何かご質問があれば西門にお問い合わせください。うちの牧野がご対応しますよ、彼女も卒業生ですから。」

そう言って断れば藤堂がおもしろくないようにボソッと言った。聞こえたそれは俺をキレさせてくれるのに十分な一言だった。

「道明寺様のおさがりのブスなんて。あんなの相手にしたら恥だわ。」

「おい、バカ女。てめーに何がわかんだよ。司でさえ今でも頭のあがんねー女をそこまで言うなら覚悟できてんだろうな、お前の家潰すくらいわけねーんだぞ。」

「ちょっ、総!」

「どっかのホステスと大して変わんねー頭しかねーくせにお嬢様気取ってんな。趣味わり―ラウンジで女王気取って脳ミソつまってねー会話しかできないお前なんかとつくしとじゃ人間の出来が違うんだよ、わかったか整形ブス。」

「なっ!なんて失礼な!私にそんなこと言ってもいいと思ってるんですか!そんな女のためにこの私に暴言なんて!」

「ちょっと!何言ってんの、高校生相手に!」

「お前わかってねーみたいだけど、つくしに傷つければF4全員から報復がくるぞ。ついでに大河原と三条もついてる。静にも連絡とるか?つくしの人間性知ってる静ならお前なんてクソ扱いだぞ。その曲がった鼻さっさとなおしに行けよ、みっともねー。」

キレた俺の言葉に茶室がしんとなって誰も動かなかった。真っ赤な顔で怒りを堪えてるつくし以外は。